口和町 大月自治会 熊本満寛さん、瀬野正明さん
#口和が好き 004 2023年6月20日
2023年6月24日(土)、ほたる見公園で「ほたるを見る会」が開催されます。コロナ禍で3年間中止が続きましたが、昨年復活。今年もほたる見公園をはじめ、モーモー物産館と和げん「新月マルシェ」でも同時にイベントが開催され、大月に賑やかな夜がやってきます。
という訳でこんにちは、地域マネージャーの松本です。今回は、ホタルの名所でおなじみの「ほたる見公園」におじゃまして、管理人の熊本さんと、大月自治会長の瀬野さんにお話を伺いました。
ほたる見公園のホタル
ほたる見公園は口和町大月にある公園で、旧口和町が「人々の憩いの場、ふれあいの場、都市の人との交流の場として、キャンプ場、人口渓流、ほたるみ館を整備(『くちわ50年の軌跡 口和町閉町記念誌』より)」し、1992年(平成4年)5月にオープンしました。
現在は、大月自治会が指定管理を受けて運営しています。草刈りや木の剪定をはじめとする管理を、管理人の熊本さんと自治会長の瀬野さんが中心になってされています。 広大な敷地を管理されているので、夏場にかけては特に草刈りが大忙しです。また、昨年の冬は、雪による倒木も多く撤去が大変だったそうです。
ほたる見公園は竹地川沿いにあり、公園ができるまえからホタルはたくさんいました。昔は、竹地川にはホタルのえさになる「カワニナ※1」も「びぃぃぃーっしり」といて、ときには庄原の料理屋さんが食材として採りにくることもあったそうです。
※1 カワニナ……カワニナ科に分類される淡水性の細長い巻貝の一種。東アジアに分布し、ゲンジボタルやヘイケボタルといったホタルの水生幼虫の餌としても知られている。
そんな竹地川にはウグイやハエなどの魚もたくさん泳いでいたのですが、ここ近年は魚が激減して、ほとんど姿を見なくなっているそうです。カワニナも以前のようにたくさんはいませんが、いまでもしっかりとホタルのえさになってくれています。例年、ホタルのシーズンは6月中旬から7月初旬にピークを迎えます。今年は、ホタルが飛び始めるのが早かったので、ピークも少し早まるかもしれません。
ほたる見公園では例年、まずゲンジボタルが少し下流の発生場所から川を上ってきて、7月に入るころには山からヒメボタルが下ってくるそうです。
ホタルの数は、一晩に1000~1500匹くらい飛ぶこともありましたが、いまでは多くて数百匹程度とのこと。また、ホタルの数は年によって増減があり、これはえさの多い少ないが影響しているようです。つまり、ホタルの数が多かった年はえさもたくさん食べられているので、翌年は少なくなる傾向があるようです。
ほたる見公園にある「ほたる見館」には、ホタルの生態についての興味深い展示もありますので、是非ご覧になってください。
ホタルの名所と言われるところではホタルを人工繁殖させて、なかには鑑賞料が有料のものもあるのですが、ほたる見公園のホタルはすべて自然繁殖です。そのため、どのくらいのホタルが飛んでくれるのかは来てみてからのお楽しみになります。今年も「ほたるを見る会」でたくさん飛んでくれるといいですね。
ほたる見公園キャンプ場
近頃は「グランピング」をはじめ便利で手軽なキャンプ場が増え、キャンプの世界も広がってきています。しかし、ほたる見公園キャンプ場の魅力は、その全てを自分の手で作り上げる時間を愛でる「古き良きキャンプ文化」が息づいていることにあります。 ここで用意されているものは、テントサイトに固定の机とイス。丁寧に手入れされた炊事場にトイレ。そして、風と虫の歌に包まれ、日常の喧騒から隔てられた環境。キャンプ用品のレンタルもありますが、むしろこだわりのキャンプギア(キャンプ道具のことです)で過ごすタフなキャンパーがほとんどです。
慣れた手つきでテントを張り、自慢の料理に腕を振るい、家族や仲間と賑やかに食卓を囲み、片付けものの山を横目で見つつ、まずは一息ついて夜空を見上げる。これこそがキャンプの根源的野性的醍醐味であり、こういうシンプルな環境でこそ、自前のキャンプギアのポテンシャルを十二分に堪能できるというものです。
ほたる見公園キャンプ場のお客さんは半分以上が常連さん。「なにもない」ことに魅力を感じているという方が多いそうです。これ実は「なにもない」のではなく、「日常にないものに満たされている」のかもしれません。
また、ここ最近のキャンプブームもあり、ご新規さんも結構来られていて、なかには「ほたるを見る会でキャンプもできることを知って来ました」という方もいらっしゃるそうです。 キャンプ場の予約やチェックイン、チェックアウトなどの業務は熊本さんが担当されています。
キャンプ場の利用申込は、お電話(0824-87-2513 8:00~20:00)での受け付けになります。予約は3カ月前からの可能です。週末などは、きっちり3カ月前に予約が入ることもあり、今の時期の週末はかなり予約で埋まっているそうです。
チェックイン、チェックアウトの時刻は決まっておらず、事前にご連絡は必要ですが、早朝夜間以外なら可能とのこと。この対応の優しさもほたる見公園の人気のひとつだそうです。対応は大変だと思いますが、「お客様のマナーが良いので助かっています」と、熊本さん。瀬野さんによると「熊本さんの丁寧な対応のお陰でまた来てくれてるお客さんもたくさんいると思うよ」とのことです。
昨今のテントは大型化が著しいので、テントサイトのサイズは必ずご確認ください。また、車はテントサイトまで入れませんのでご注意ください。
ほたる見公園の魅力は、主役のホタルと素朴な自然につつまれた環境、そして、なによりそこに関わる熊本さんをはじめとした関わるみなさんの丁寧なお仕事とお人柄です。
いっときのブームではなく、派手さはないかもしれませんが、ほたる見公園ならではの魅力を生かして、末永く愛されるキャンプ場であって欲しいと思いました。
熊本さん、瀬野さん、お体に気を付けてこれからもお客さんに愛され続けてください。今回は、お忙しいところ取材を受けていただきありがとうございました。
口和自治振興区
地域マネージャー
松本 晋太