口和の魅力を深堀取材!
#口和が好き

#口和が好き 020 (有)セルダムコーポレーション

口和町大月 有限会社セルダムコーポレーション

岩瀧清文さん 岩瀧賢貴さん

#口和が好き020 2025年7月20日


口和で社会科見学

口和を含めた日本の大部分は車社会です。自動車は私たちの暮らしに欠かせない存在です。その自動車の足元を支えているのがタイヤです。つまり、タイヤは私たちの暮らしを支える大切な存在なのです。
では、果たしてその役目を終えたタイヤたちがその後どこへ行き、どうなっているのか。

という訳で、今回は「口和で社会科見学」と題して、廃タイヤを取り扱っている有限会社セルダムコーポレーション(以下「セルダムさん」)の創業者である岩瀧清文さんと現社長の岩瀧賢貴さんにお時間をいただき、私たちの暮らしを文字通り支えてくれているタイヤのその後について勉強してきました。

セルダムさんは、現在社員数15名で、事業所としては口和大月の本社と島根県安来市の島根工場の2ヶ所になります。はじまりは、いまから30数年前のことになります。当時家具屋さんにお勤めだった岩瀧清文さんは、地元口和でなにか事業を起こせないかと考えていました。

いろいろな方に相談をしたところ、実家の山が奥まったところに位置するということを生かして産業廃棄物処分業がいいのでは、となりました。仕入れがないので在庫を抱えることがない、というのも魅力でした。
廃棄物は、家庭などの日常的な生活から出される「一般廃棄物」と、事業活動から出される特殊な「産業廃棄物」に分けられます。廃棄物は適正に処理される必要があるため、産業廃棄物を取り扱うには産業廃棄物処分業、産業廃棄物収集運搬業などの許可が必要です。また、産業廃棄物はそれを出した事業者に処理責任があるため、処理を依頼された産業廃棄物処理業者はきちんと処理していることを証明する必要があります。
産業廃棄物は20種類に分類され、廃タイヤは「廃プラスチック類」に分類されます。

日本における廃タイヤの再利用率は高く、2022年は実に98%でした。これは、大手のタイヤメーカーを中心にリサイクルの仕組みが確立されているからです。必然的に廃タイヤの処理業者は大手タイヤメーカーから厳しくチェックされます。また、廃タイヤは処分の仕組みが明確であるため、利益率がほぼ一定で、他の廃棄物と比べても利益率はそれほど高くありません。

つまり、廃タイヤは「お客さんからのチェックが厳密で利益率はほぼ一定」と特有の厳しさがあるゆえにそこまで競争相手が多くなく、その意味では参入しやすい分野ではありました。当時の広島県内で廃タイヤを扱っているのは数社だけでした。本格的な稼働は1993年からで、営業先は県北から島根方面に力を入れました。

全く異なる業界からの転身でしたが、それまで家具業界では当たり前だった顧客対応が、当時の産業廃棄物業界からすると非常に丁寧な対応だったようで、セルダムさんは非常に評判がよく、取引先も増えていきました。この、セルダムさんの顧客対応の丁寧さが、業界の雰囲気を変えるきっかけにもなったようです。


1998年には産業タイヤの受け入れを始めます。採掘現場などで使われる超大型の車輛で使われるタイヤは、直径が人間の背丈よりはるかに高く、タイヤ1本で重さが5トンを超え、新品の価格は1000万円を越えるものもあります。このような特殊な廃タイヤを受け入れる業者は全国でも数軒で、中国地方には無かったため、セルダムさんで取り扱うことにして、これは現在でもセルダムさんが中国地方では唯一です。

大迫力!巨大な産業用タイヤたち!

当時の廃タイヤはセルダムさんも含めてほとんどが焼却されていて、焼却灰は、主にセメントの原料として再利用されていました。ただ、セメント需要の減少に伴いこの割合も減少し、2005年にはセルダムさんでも焼却炉が撤去されました。 現在では、廃タイヤの約65%は細かく砕いた「タイヤチップ」にされ代替燃料として再利用されています。タイヤの原料は石油なので、軽油や重油と同等の熱量を得られるそうです。セルダムさんでも現在は、この「タイヤチップ」として製紙会社などに出荷しています。

こちらがタイヤチップ

この他のリサイクル方法としては、緩衝材などゴムとして利用されるのが約9%、溝を掘り直して使う「リトレッドタイヤ」が約5%、などがあるそうです。また、約13%は原料として海外に輸出されています。

セルダムさんで最大の破砕機

以上のように、日本ではタイヤのリサイクルが積極的に行われてきました。また、環境への関心の高まりから、代替燃料としての活用など、新たな取り組みも始まりました。そのサイクルのなかで、セルダムさんのような産業廃棄物処理業者さんは重要な役割を担っています。 実はセルダムさん、自分で持ち込めば、廃タイヤをお安く引き取ってくださるそうです。

全く畑違いの業界から産業廃棄物処理業の世界に飛び込まれた岩瀧清文さんですが、時代を見抜く力で、世間では「失われた30年」と言われた時期を乗り越えてこられたお話は、とても興味深く勉強になるものでした。

そういえばこの「セルダム」は、英語で「めったに~ない」「ほとんど~ない」という意味で、実は事業内容が決まる前から「どんな業種でも当てはまるように」と考えられていたお名前だそうです。

賢貴さんをはじめとする若い後継者にも恵まれて、人口減少と縮小する経済規模のなかでも、セルダムさんはきっと「めったにない」貴重な会社として続いていくことでしょう。 今日は、お忙しいなかお時間を頂きありがとうございました。とても勉強になりました。


口和自治振興区
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松本 晋太

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