
口和本の会
川﨑弘子さん 岩瀧朋子さん 花本弘子さん 池上優子さん
#口和が好き021 2025年9月20日
去る8月20日、庄原市民会館で今年度の庄原市戦没者追悼式並びに平和祈念式典がとりおこなわれました。
この式典のなかで、特攻隊員の遺書、被爆体験記、そして原爆詩が朗読されました。
今年は先の戦争が終わってから80年。当時を知る人はますます少なくなっています。
当事者の方々によって記された言葉はそのひとつひとつが実に重く、お話を直接伺うことはできなくても、聴く者の心に確実になにかを刻んでいくようでした。当時を知る方々が減っていくなかで、このような活動の大切さは増す一方です。

今回は、その朗読をされた「口和本の会」のみなさんに、その活動についてお話を伺いました。
はじまり
「口和本の会」は、いまから23年前の2002年に「土曜本の会」という名前ではじまりました。
その年の4月から学校が週5日制になり、土曜日がお休みになった時間を活用して、「本の読み聞かせを通じて、子どもたちの心を育てたい」という想いで、毎月1回小学生や保育所の子どもたちを対象にした「土曜本の会」がはじまりました。
いまのメンバーのうち、川﨑弘子さん、岩瀧朋子さんは設立メンバーで、花本弘子さんは2003年から、池上優子さんは2011年から参加されています。
「土曜本の会」では、普段の読み聞かせの他にも、誕生日会、クリスマス会、ワールドブック交流会など特別イベントも開催し、参加者も多い時には50人近くになることもありました。
「土曜本の会」から「口和本の会へ」
2005年、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館は「被爆体験を読み語るプロジェクト」の一環として「被爆体験記朗読サポーター」の研修を開催しました。このプロジェクトは、平和公園や各地で行う被爆体験記や原爆詩の朗読を通じて、被爆の実相を後世につないでいく活動です。
朗読サポーター研修の参加者は約60名。そのなかに岩瀧朋子さんの姿もありました。ご自身も被爆二世であり、原爆の事実を後世に伝えたいとの想いから参加されました。
早速、その年の7月に最初の被爆体験記の朗読会を口北小学校で行いました。この活動の評判は次第に広まり、各地の学校や公民館に呼ばれるようになりました。
ぼくが小学生だった昭和60年代には、戦争や原爆の映画を観るといった平和教育が盛んに行われていましたが、次第に減っていったそうです。減っていった理由は様々あるのでしょうが、なかには戦争体験は、生々しすぎて聞きたくない、という声もあるそうです。確かに目を覆いたくなるようなものもありますが、実際に体験されたことを知ることでしかわからないものがあります。
そのことを大切に想う先生たちからたくさんのお声掛けがありました。
また、学校以外にも各地の老人会や農協、生協などの団体からも依頼がありました。冒頭の平和祈念式典での朗読もこの活動のひとつです。
こうして活動の場が広がったので、会の名前を「口和本の会」に改めました。ちなみに、「土曜本の会」は毎月1回のイベントの名前になり、いまでも続いています。
コロナ禍を経て
「土曜本の会」ができた年には、口北小学校と口南小学校での読み聞かせもはじまり、毎年50回程度行われました。毎月開催されていた「土曜本の会」とあわせて、「口和本の会」は口和の子どもたちにとって身近な存在になっていきます。
また、2015年からは、口和図書館での「休日開放図書館」や、口和文化祭の作品展にあわせた「図書館まつり」もはじまりました。
ところが2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大で「口和本の会」も大きな影響を受けました。
様々なイベントが中止や少人数での開催となり、口和小学校での読み聞かせに行くのも難しくなりました。 その間にいつも来てくれていた子ども達とのつながりも途絶えてしまいました。新型コロナウイルスに関する規制が緩和されたあとも「土曜本の会」の参加者は以前より減ってしまいましたが、毎月の口和小学校での読み聞かせや、休日開放図書館、図書館まつり、ワールドブック交流会などもこれまで通りに開催できるようになりました。
何かを感じる 心が育つ
先日、夏休み中の口和放課後児童クラブでワールドブック交流会が開かれました。これは口和本の会と口和自治振興区の共催で、外国の方を招いて、各国の絵本を外国語と日本語で読み聞かせをするというイベントで、今回は24人の子どもが三か国語での読み聞かせという貴重な体験をしました。


外国語で読まれていても、そこに何か感じるものがあるのでしょう、子ども達はじっと聴き入っています。まさに絵本の奥深さです。
口和本の会には「絵本を通じて、子どもたちの心を育てたい」という想いがあります。そのため、口和本の会のみなさんにとっての読み聞かせは、ただ本を読むだけではありません。
そのため、絵本選びは、思いをめぐらせてじっくり行います。相手が誰なのか、伝えたいことはなにか、どうすれば相手の心をノックできるか……。
受けの良い本を読めば子どもは喜びますが、目先の快楽だけでは心は育ちません。特に最近は、スマホなどの発達で手軽な快楽にあふれています。絵本は、ちょっと時間はかかるけれど、ゆっくりと心に染み込む優しいメディアです。そこでなにかを感じ、心が耕され、心が育っていくのです。
平和祈念式典での朗読のあと、川﨑弘子さんはこう仰いました。
「感じてください見つめてください」
心で感じ、心で見つめる。これは、絵本や文学を聴いたり読んだりするリズムのなかでこそできることなのかもしれません。まさに「口和本の会」にぴったりな言葉だと感じました。
さあ、今日は本でも開いてみませんか。
【ご案内】
土曜本の会
~子ども達に本の世界をお届けします♪~
土曜本の会では「口和本の会」のみなさんが、毎回よりすぐりの絵本の読み聞かせをしています。
小さなお子さんと一緒に絵本の世界を楽しみましょう。
【会場】
庄原市立図書館口和分館
庄原市口和町向泉934-4 口和自治振興センター内
【日時】
いつもは「毎月第4土曜日9時から」開催していますが
ときどき変更されることがあります。
口和自治振興区の広報「ふれあいだより」のカレンダーをご確認ください。
口和自治振興区
地域マネージャー
松本 晋太

